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2013年2月23日 (土)

クラシック音楽と PCオーディオと タグ データ (その1)

TagEditむかし、楽曲(CD)を管理するデータベース・アプリケーションを作成したことがある。そのソフトはさまざまな課題を残したので結局は公開できずに終わったが、そこでは、きちんと正規化したデータベース・テーブル群を用意して、アルバムや作曲家、演奏者を手入力して管理するようにしていた。むかしの話である。

時代は変わって、楽曲に関する情報は、データベースで集中管理するのではなく、PC上の楽曲ファイル自身に、タグデータ (メタデータともいう) として持たせるようになった。そうして、自然にその “きちんとした” データベース・ソフトの出番はなくなり、楽曲のタグデータを参照するようになった。


さらに、これまでの数年で、このタグデータは、ぼくのなかでは「ちょっとした付加情報」から「きわめて大切なデータ」に変わった。

そのきっかけは、foobar2000がMedia Libraryで強力で高速な分類機能を提供してくれるようになったこと、おなじく強力な編集機能によって、複数の楽曲に対して統一的な値を設定しやすくなったこと、が大きかった。つまり、タグデータを用いて楽曲を集中管理できるようになったのだ。foobar2000だけでは不足している機能については、自分でもいくつかのツールを作成もした。また、これはfoobar2000が契機になっているかどうかはわからないのだが、趨勢としてひとつのタグに複数の値を設定できるようになったことも重要なポイントとなった。

そして、時をおなじくして大量の楽曲をPCに置いた結果、ディスク上のフォルダ分類だけではなかなか直感的には「目的の音楽」が見つけられなくなるに至って、 本格的にデータを整理しようと思い立った。

問題は、クラシック音楽である。一部のジャズやロックでもおなじような課題を抱えることがあるが、クラシック音楽には特有の課題がある。 たとえば、

  • ひとつの楽曲が、複数のトラックに分かれている(楽章別とか)
  • ひとつの演奏には作曲者と演奏者という、役割のちがう重要なキーパーソンがいる
  • さらにひとつの楽曲・ひとつの演奏(=ひとつのファイル)を特定できたとしても、そこは複数の演奏者が関わっている(指揮者、オーケストラ、独唱者...)
  • 楽曲名だけでは演奏/アルバムは特定できない(たとえばムソルグスキーの 『展覧会の絵』には、たくさんの演奏者による何枚ものアルバムがある)

こうした特性から、大量の音源を管理しようとしたら、旧来のアルバム(CD)という単位だけでの管理ではなくて、そもそもの考え方の見直しと、タグ データでの管理がどうしても必要になってきた。

アルバム(CD)という単位は希薄で良い

そう考えるに至った(笑)。

もちろんアルバム(CD)という単位は管理するには便利なまとまりであり、どうでも良いわけではない。とくに、ある目的でもって特集されたアルバム、たとえば演奏家や作曲家をキーとして集めた小品集とか、ライヴのように、制作者が一連の流れを意識して曲順が組んだアルバムなどは、アルバム単位で聴くことに意味がある。また、アルバムのジャケットは、後々までその演奏を認識する上で重要なアイコンとなる。ハードディスク上のフォルダ構成も、アルバム単位が容量として大きすぎず小さすぎず、やはり便利である。

しかし、最近のボックス・セットなどの場合、CD 1枚の容量に応じて1曲が分断されていたり、つづけて聴くことにあまり意味がなさそうな曲がつめこまれていたりする(それはそれで嬉しいのだが)。

そのときに大切なのは、CDというメディアの『チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル フランス・ロシア音楽集 Disc 3』という情報ではなくて、「チェリビダッケとミュンヘン・フィルによるムソルグスキーの『展覧会の絵』を聴こう」と思う、ということだ。

その演奏が収録されたパッケージは、時代が変わり、リリース形態が変わると、アルバムという単位もまた簡単に変わってしまう。大切なのは、そこに収録されている演奏そのものである。

演奏を引き出す情報が大切

そうすると、ある演奏を引き出すためには、CD棚を順番に見ていくのとはちがい(それはそれで楽しいプロセスだが)、作曲者、演奏者、楽曲名、ジャンル、年代、そういった情報がきちんとタグづけされて、このタグ情報をもとに探せることが重要になる。とくに、演奏者のタグ(PERFORMER)には、複数の名前を登録できる必要がある。

たとえば、上の『展覧会の絵』の場合、聴きたくなる動機は、ムソルグスキーの『展覧会の絵』そのものを聴きたい場合もあれば、そうではなくて、チェリビダッケの指揮するなにかを聴きたい場合もある。その両方が大切な場合もある。あるいはたまたまミュンヘン・フィルのことを調べていて、ミュンヘン・フィルの演奏を聴きたくなる場合もある。

ここ数年使いつづけてきて、大切だと思う情報はだいたい決まってきた (以下、[] 内の英語は、FLACでのタグ(メタデータ)の名称)。

  • 検索するときに大切なタグ (ほぼ必須)
    • 作曲家 [COMPOSER]
    • 演奏家 [PERFORMER]
    • アルバム名 [ALBUM]
    • 楽曲名 [CONTENT GROUP]
      (...決して [TITLE]ではない)
    • ジャンル [GENRE]
      (...これも複数必要! )
  • 楽曲を管理するときに大切なタグ (あれば良い)
    検索に使用するタグに加えて、
    • レーベル [ORGANIZATION]
    • 録音日 [DATE]
    • リリース日 [RELEASETIME]
    • 入手した日 [PURCHASEDATE]/[ENCODINGTIME]等々...
    • 版 [EDITION]
    • 作品番号 [OPUS]
      (たまに、ある作曲家について作品番号順に並べたくなる(笑))

「その2」で、もうすこし詳しい話をしようと思うが、こうして自分で使用するタグとその意味を決めておくことがポイントになると思う。もっとも、一度決めた使い方も、さまざまな楽曲のデータを整理していくにつれて例外に出くわして、揺らいでしまうこともままあるのだが。

 

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