« 鈴木雅明とBCJのマタイ受難曲@兵庫県立芸術文化センター | トップページ | 『レコード芸術』名曲名盤300 と PCオーディオ »

2009年5月 6日 (水)

スピーカー・ベースの製作

SpeakerBase リビングのテレビを新しくした――わが家もついにデジタルに対応した――と同時に、テレビ台も新調した。

このテレビ台、数ヶ月かけて家具屋をまわってみたものの、なかなか好みにあうものを見つけられず、結局インターネットでオーダに応じてくれる店を見つけて、そこにお願いすることになった。2月に発注して、届いたのは4月初め(そのあいだ、以前書いたようにとても忙しかったので、「待った」という感覚もほとんどないままに届いた)。作ってもらったテレビ台は、形はよく見かける横幅の広いボード型のものだが、突き板の色や天板の材質、センタースピーカーを置くスペース、収納力といった条件を気にして選んでいたら、オーダメイドになってしまったという感じだった。


横幅を広くしたのは、見た目と収納力を考えてのことだが、その結果いままでスタンドに乗せていたブックシェルフ型のスピーカー、B&W の CDM1SE の場所に悩むことになった。テレビ台の前に出すということも充分考えられたのだが、家族の生活の便などを考えて、テレビ台の両翼に乗せることにした。それで、天板の材質を変えてもらった。標準でハニカムコアのフラッシュ構造のものを使用しているところを、MDFに変えてもらったのだ。本当はウォールナットの集成材にしたかったのだけれど、かなり価格が上がってしまうので断念し、MDF+突き板にして重量をかせぎ、スピーカーを置く土台になるようにした。

ただ、その上にそのまま CDM1SE を置くわけにはいかない。見た目がみっともないし(笑)、高さも足らない。それでスピーカー・ベースを作ることにした。

§

モノは冒頭の写真で見ていただいたとおり、簡単なものだ。

大切なポイントのひとつとなる木材には、サザンイエローパインを使った。以前 ALR/Jordan の Note 7 のスピーカー・ベースに使っていたのも、このサザンイエローパインだった。硬度・強度が高く、木製ジェットコースターの構造材にも使用されている。重量もそこそこあり、それでいて安い。どこにでも売っているというほどメジャーではないけれど、ホームセンターでも探せばウッドデッキ用として扱っているところがある。

ぼくもホームセンターでツーバイフォー材のサイズで売られているものを購入した。約2mで700円くらいだった。室内の家具用とか工作用とかそういう扱いではないので、仕上げは決してきれいではない。たいていは節が入っているし、反ったり割れの入っているものも多い。節は見かたによってはそれを楽しむこともできるけれど、反りや割れを修正するとなると大変なので、まずは木を選ぶところが大切だ。

材料を選んだらそれをカットしてもらう。いつも思うが、ホームセンターでのパネルソーによるカットはちょっとリスキーだ。切断面が粗いし、焦げてしまうことも多々ある。またセットのしかたによって寸法の誤差も出る。これは店員さんのモチベーションによるところが大きい。ただ、どうであれ、こういう材料は自分で切るよりはパネルソーで切ってもらったほうが直角を出せるし、寸法面でも今回は誤差はあまり問題にならないので、ホームセンターで切ってもらった――ら、いちばん大切な中央の梁になる部材だけが、なぜか斜めに切れていた(爆)。これは泣けた。いったいどうしたらパネルソーで斜めに切れてしまうのかよくわからないのだが、帰って組み合わせてみると、どう見ても切り口が斜めになっている。まあ、自分の労を惜しんで他人にお願いしたのだからしかたがない、と思いつつ、これはヤスリで修正した。それだけで半日かかった。カンナがけという方法ももちろんあるけれど、ぼくの技術では木口のカンナがけはむずかしい。

ちなみに、ぼくのような素人がきちんと精度良く切ってもらおうと思ったら、東急ハンズがお勧めだ。決して安くはないけれど、精度、品質とも次元がちがう。以前オーディオラックを作ったときには、東急ハンズでお願いして、その仕上がりには感動した。

§

l-30塗装のために、目の細かいヤスリで全面を磨く。今回は、紙/布ヤスリだけでなく、NTカッターのドレッサー(中目)を使った。目詰まりせず、力も入れやすい。価格が高いのでコストパフォーマンスとしてどうか、というのは微妙だが、紙/布ヤスリをつぎつぎ使い捨てていくことに比べると、手間も精神的にも楽だし、途中で足らなくなって走らなければならないようなこともない。このドレッサーは中目なので、だいたいこれで表面を整えたあとは、#240~#320くらいの布ヤスリで仕上げる。モノによってはさらに#400とかそれ以上のものも使用する。今回はスピーカー・ベースなので、それほど表面を滑らかにする必要もなかった。

ヤスリがけはその後の仕上げを左右する大切な工程だが、粉まみれになるし、力もいるし、時間のかかるつらい工程でもある。いつも「つぎこそは電動サンダーを買おう」と思う(でも買ってない。次こそは...)。

今回のスピーカー・ベースは小さいものなので、塗装の前に組み上げを行った。全工程中、もっとも簡単な作業だ。現物の寸法を確認して、中心部の梁の位置を決め、水平と直角ができるようにテーブルに簡単な治具を配置して、木工用ボンドで止める。そのままでも実使用上は問題ない強度で接着できるのだが、今回はさらに梁に対して両側から6cmの長い木ネジを入れて補強した。これだけの長さの木ネジになると、さすがに力がいるし、材料の割れも心配なので、あらかじめドリルで下穴をあけておいた。

§

最後に、木工でもっとも気を遣う塗装作業となる。過去数えきれないほどの失敗を経て、ぼくの塗装方法はもうパターン化している。オイルステインで着色し、そのあとでクリアラッカーを塗るのだ。この方法だと手軽なわりに、塗りムラなどの失敗が少ない。

事前に、カットであまった端材に塗装して色味を見た。サザンイエローパインはその名のとおり黄味が強く、またあまり吸い込みもよくないので、薄めの発色となる。マホガニーも考えていたのだが赤みが強く出すぎることもあり、結局テレビ台と同系色のウォールナットにした。オイルステインはホームセンターで簡単に手に入る和信ペイントのものを使っている。

オイルステインの塗布は簡単だ。ハケで均一に塗布したあと、ウェスで塗りこむようにしてふき取ればいい。ただしムラが出ないわけではなく、調子に乗って適当にやっていると、濃淡が出てしまうので注意は必要だ。その日はステインの塗布だけにして、ひと晩乾燥させた。

オイルステインは着色剤なので、それだけでは光沢は出ない。出なくてもいい場合はそれで完成だ。それだけで終わらせたものも過去にはいくつかあるけれど、ぼくの場合はすこし光沢感が欲しいので、上からクリアラッカーを塗る。

翌朝そのクリアラッカーの塗布を行った。これも和信の製品で、2倍程度に薄めて、3回塗りを行った。強い光沢感を求めているわけではないので、このくらいがちょうどいい。以前はサンディングシーラーを使用したこともあったけれど、そうすると本当にテカテカになってしまって、結局シーラーは一度しか使用していない。

クリア・ラッカーのいいところは、乾燥が速くて作業効率がいいことだ。これはぼくのようなせっかちな人間にはとてもありがたい。2回目と3回目の塗装のあいだには、平滑化のため簡単に#400の布ヤスリをかけておいた。

§

結局、2日程度でスピーカー・ベースは完成した。材料の切り出しがもうすこし正確にできていたら、1日半で終わっていたと思う。

設置してみた感想は――ガタツキもなくスピーカーの下に収まった。見た目も実際も安定している(よかった)。収まってしまえば、そう存在を主張することもなく溶け込んでいる。音は?――まあふつうだ(笑)。

 

|

« 鈴木雅明とBCJのマタイ受難曲@兵庫県立芸術文化センター | トップページ | 『レコード芸術』名曲名盤300 と PCオーディオ »

オーディオ」カテゴリの記事

住まい・インテリア」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 鈴木雅明とBCJのマタイ受難曲@兵庫県立芸術文化センター | トップページ | 『レコード芸術』名曲名盤300 と PCオーディオ »