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2008年7月 7日 (月)

ATI RADEON HD3450 から HDMI で音声出力

HD3450 オンキヨーのAVアンプ TX-SA606X があらたに到着するのにあわせて、リビングのPCのグラフィックカードもあたらしくした。最近は濃厚な発色が気に入ってもっぱら nVIDIA の GeForce ばかり使っていたのだが、HDMI 出力をやってみたくて ATI (AMD) の RADEON に切り替えたのだ。 

そもそも HDMI に対応したテレビを持っていないのにどうするんだ、という話はあるが、TX-SA606X がやってきたことで、すこし状況は変わった。そう、RADEON HD3xxx シリーズ以降の持つ HDMI への音声出力機能を使って、TX-SA606X に音声信号のみを伝送し、このアンプを音楽用のDAコンバータ+アンプとして使おう、ということである。


もちろん、それだけの目的であればサウンドカードやオンボードの SPDIF 出力を使えば難なく実現できる。実際、アンプが到着したその日にそれはやってみた。なにも問題はなかった。ただひとつ、あるとすれば、PC内のオーディオデバイスがひとつしかないために、アナログ接続した机上のPC用スピーカーと、アンプ経由のデジタルデータが同時に鳴ってしまう、ということである。それでなにも問題ないと言われる向きには理解しづらいことかもしれないけれど、PCで音楽を再生し、アンプを経由してすこし大きな音で音楽を鳴らしているとき、メールがきたり、イベントが発生したりすると、Windows の効果音が大きな音で音楽とともにスピーカーから響いてしまう。それがいやなのだ。だから、音楽用のオーディオデバイスと、Windows サウンド用のオーディオデバイスはふたつに分けて使いたい (自分の部屋のPCも RME DIGI 96/8 PST を使って、おなじことをやっている)。

RADEON の HDMI 音声出力機能は、GPU自身がひとつの独立した音声デバイスとして動作する (はず)。だからここを1系統使えれば――音質の云々はさておき――これを音楽専用して使うことができる。Windows サウンド用には、いままで通りオンボードのサウンド機能を使えばいい。

購入したのは、RADEON HD3450 を搭載した Sapphire 製デュアル DVI 出力のグラフィックカード「RADEON HD 3450 512MB DDR2 PCIE」。ほんとうは DVI 出力と HDMI 出力の両方があればよかったのだけれど、一時期はよく見かけたはずのその種のカードは、いまは入手がむずかしくなっているようだった。だから、このカードを買って、デュアル DVI 出力のうち片側から DVI-HDMI 変換アダプタを通して HDMI 出力することにした。GPUは、いつものように高い性能は求めず、ファンレスを必須条件として選んだら、 HD3450 になった。ついでに言えば、このチップを搭載したカードはとても安く、DDR2 512MB のメモリを搭載して6千円弱だった。すばらしい (^_^)。

そして、DVI-HDMI 変換アダプタとして、玄人志向の「DVI-HDMI3」も購入した。RADEON HD3 シリーズ用で音声出力が見込めそうなのは、これくらいしか見当たらず、ほかの DVI-HDMI 変換コネクタ・ケーブルの類は、画像は出ても音声は出ない、という意見がインターネット上には多い。

でも、この HD3450 と DVI-HDMI3 を使っても、なかなか音は出なかった。正直、もう何度もあきらめようと思った。貴重な休日をこんなことで潰してしまうなんてアホにもほどがある、と自分でも思う瞬間があった (笑)。

結果として音は出た。4つの問題があった。音が出るまでに3つ。そして音が出てから1つ。

まず、デバイスドライバの問題。ATI のサイトから最新のHDオーディオ用ドライバをダウンロードして使ったのだが、これを使うと「デバイス マネージャ」ではオーディオデバイスとしては正常に認識されるものの、Windows XP SP2 でコントロールパネルを開き、「サウンドとオーディオ デバイス」の項目を開いても「オーディオ」タブや「音声再生」タブの部分で、どうしてもデバイスとして登場してこない。

登場しなかったら選択のしようがない。Windows の MME では認識できるデバイス数に上限があるような話を聞いたことがあったので、Google で世界を徘徊するも手がかりはなく、OSの再インストールや Windows Vista 化まで思いつめた。この問題で半日を潰した。結局これは、ATI のサイトにある最新のドライバではなく、グラフィックカードに付属していたCDからドライバをインストールすることで解決した。ふだん製品付属のドライバCDなど相手にせず、メーカーのサイトから最新のドライバをダウンロードするようにしていたのだが、この行動が裏目に出たことになる。がっくり。

再生デバイスとして選択できるようになって、ソフトウェア的には整合のとれた状態になったものの、やはりアンプからは音はまったく出ない。ここからさらに半日を要した。グラフィックカードの初期不良や、玄人志向の DVI-HDMI3、HDMI ケーブル。そもそも音を出すことができるのかできないのか、さまざまな要因が脳裏にうごめく。とくに玄人志向の DVI-HDMI3 は、「RADEON H3xxx シリーズ専用」というだけで、じつは音声出力の実績はないのではないか――そんなことを疑いだすと、もうあれこれ試す気力も失くしそうになるし、実際、何度も SPDIF での出力路線を心のなかで再検討したりもした。

結局、ここにはふたつの問題があった。

ひとつは、グラフィックカード側のコネクタ位置の問題。見た目におなじ DVI コネクタがふたつ並んでいるけれど、音声出力に対応するのは、どうも片側だけのようだ。

もうひとつは、アンプ側のHDMI端子の問題。並列に4入力が並んでいるので、なんとなく遠慮して(笑)、4番目にPCをつないでいた。これがよくなかったようだ。結果としては1番目につないだときだけ、音が出た。4番目につないだときには最後まで音が出なかった。2と3は力尽きて試していない。

まとめると、アンプから HDMI 経由で音が出るまでに解決したのは、つぎの3点だった。

  1. グラフィックカードのオーディオドライバは、付属CDからインストールする
  2. グラフィックカードからの HDMI 出力は、背面から見て左側、つまりマザーボード側のコネクタにを接続する。
  3. アンプ側は HDMI1 に入力する。

最初から「当たり」の設定でやっていればそれだけの話なのだが、外してしまった場合、この組合せを見つけるのは大変だ。いずれも「なぜ」というのはいまだによくわからない。

これでなにもかも完成――そう思って機嫌よくいろいろと試しているうちに、またがっくりするような現象が起きた。それまで正常に稼動していたPCを再起動すると、ディスプレイになにも映らないのだ。真っ黒。起動時の BIOS 画面は出る。Windows XP の起動途中の画面も出る。起動した、と思うと、真っ黒になる。

グラフィックカードの DVI コネクタのうち、マザーボードに近いほうに HDMI 出力をつなげている。たぶん、この DVI コネクタはプライマリ出力用なのだろう。それで、画面が HDMI の方に出力されて、ディスプレイのほうにはなにも出力されないのかもしれない――そう思ったけれど、HDMI 出力をつないでいるアンプはスタンバイ状態で、逆にディスプレイのほうは通電してある。グラフィックカードもそのくらいは理解して、どちらに画面を出力すべきか判断できそうなものだ。

ここで何気なくアンプの電源を入れると、PCのディスプレイのほうにもデスクトップ画面がもどってきた。その状態で ATI Catalyst を起動してみると、PCディスプレイをプライマリ、 TX-SA606X をクローンとしてきちんと認識している。

もういちど試してもおなじ。アンプをスタンバイにして、PCを起動するとディスプレイは映らず、アンプの電源を入れると映る。いちど映ると、もうアンプをスタンバイにしても大丈夫。

これは、結局、アンプ TX-SA606X 側の設定に問題(?) があった。HDMI の設定で、 PowerControl を有効にしていた。これを有効にしていると、PCの起動時にPCのディスプレイが真っ黒になる。無効にしていると、問題なくPCが起動する。

いまは HDMI 対応機器はPC以外にないので、PowerControl を有効にする理由はない。初期設定も無効になっている。いろいろ設定をいじっているときに、何気なく有効にしてしまったようだ。近い将来、いくつか HDMI 対応機器を導入していく予定にしているが、この設定をどうしていくかは、そのときにまた考えることにしよう。

ちなみに、PowerControl の機能は、TX-SA606X の(隠れた)目玉機能のひとつである、HDMI スルーを実現するときに必要となる。ただ HDMI スルーの機能は、要するにスタンバイ状態であってもデジタル系は稼動させておくということだから、待機電力がかなり増える。それは HDMI がアナログ信号ではなくデジタル信号だから、しかたのないことだ。たぶんぼくは HDMI スルーの機能は使わないだろう。ただ電源連携ということになると、ひょっとしたら使いたくなるかもしれない。

これで、いちおうやりたいことはできた。Windows のサウンドはPC用スピーカーから鳴り、音楽はアンプを通してきちんとした (笑) スピーカーから鳴る。再生用のソフトは、再生デバイスを個別に指定できる foobar2000。むかしの Windows Media Player もこれができたのだが、残念ながら最新の 11 ではできなくなってしまっている。

肝心の音質は?――それはまだ云々できそうにない。TX-SA606X の持つイコライザ Audyssey 2EQ の効果も結構インパクトがあり、その使いかただけでもかなり音質が変わる。ただ、聴いてすぐ驚いたのは、SPDIF 入力に比べて、HDMI 入力はバックグラウンド・ノイズがきわめて小さいということだった。なにかのまちがいかも――と、いまでもすこし疑問に思うほど、ノイズ量がちがう。それは、HDMI が優秀というよりは、伝送方式とプロセッサのちがいからくるもの、ということのような気がする。

HDMI で音声(音楽)伝送という形態を今後も常用するかどうか、というのは正直微妙だ。今回はなんとか抑えこむことができたけれど、いずれ映像系も含めて考えていくとなると、またいろいろと問題が起きるような気がする。それであれば、もう1系統、SPDIF 出力のできる安いサウンドカード(オーディオカードではなく)を導入するほうが接続性やコストとしてはよほど簡便だ。とはいえ、PCI Express 対応のサウンドカードとなると、あまり良さそうなものがないし、昨今はもう PCI バスは貴重なリソースになりつつある。かといって USB 対応機器にはぼくのなかで根強い不信感もある。

PC内に音声出力をもう1系統持ちたいというだけのことなのだけれど、意外と手間がかかる。

 

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