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2008年4月 5日 (土)

アイソレーション・トランスと電源ノイズと

IsolationPower ぼくの家はマンションで、眺望はとても気に入っているけれど、オーディオ的な観点では決して最善というわけではない。角部屋なのでオーディオ部屋のとなりには家はない。でも上と下にはべつの家庭がある。そこに住むひとたちへの影響を心配しなくてはならないし、それになにより、電源事情がよくない。

歴代のパワーアンプは、ときどきトランスのうなりを発してきた (ジェフ・ロゥランドの ICE Power の Model 201 だけはうなりを聞いた記憶がなかった)。はじめはそう古いわけでもない自分の家の電源がわるいとは夢にも思わず、販売店やメーカーに見てもらったりもした。まあ、どこも言われることはおなじで、環境によってはそういうこともある、ということだった。


3年間の転勤生活を経てこの家にもどってくるとき、壁紙を変えたりする程度のリフォームをやった。そのついでに、まえから目論んでいたオーディオ専用のブレーカーをつけた。引越しと同時にそのあたらしい電源環境を使うことになったから、専用ブレーカーをつけるまえとの比較とか、そういったことは楽しめなかったけれど、精神的にはとても安らかな (笑) 気持ちになった。

それでもトランスのうなりはときどき発生した。深夜、静かになったときに「ブーン」という低いうなり声が聞こえてくると、なんだかとても気が滅入るものだ。うなったからといって問題があるわけでもなさそうなのだが、そうはいってもやはり気になる。

それが、あるときから状況が変わった。アイソレーション・トランスを導入したのだ。正確にいうと、アンソレーション・トランスは以前から持っていたのだけれど、なんとなく音に力感がなくなるような気がして、結局パワーアンプはつながず、ふだんはプリアンプだけつないで使っていたのだ。

ある日、思いついてふたたび、このアイソレーション・トランスにパワーアンプをつなげてみた。そのまま数日が過ぎて、パワーアンプをつないだことも忘れてしまったころ、気がつくと、そのアイソレーション・トランス自身がブーンとうなっていた。パワーアンプはまったくうなっていない。ためしに再度パワーアンプを壁コンセントに直接つなぐと、やっぱりアンプ自身がうなる。

うなるとはいっても、いつもうなっているわけではない。何日も異常のない状態がつづいたあとで、気がつくとうなっていた、という感じだ。だから、このアイソレーション・トランスを入れたり外したりという実験は、1週間単位でようすを見るという、とても気のながい作業になる。それに1週間起きなかったからといって、これからも起きないという保証もない。

何回か試してみた結果、やはりアイソレーション・トランスを入れるとアイソレーション・トランス自身がうなり、アンプはうならない。アイソレーション・トランスをはずすと、アンプがうなる。ということのようだ。

ここにきてようやく、ぼくは、やっぱり自分の家の電源がまずいのだな、と思うようになった。そして同時に、過去いろいろ対応してくれた販売店、代理店、メーカのみなさんに申し訳ないことをしたな、と思った。

オシロスコープでAC電源の波形を見てみると、なにかおもしろいものが見られるのかもしれないけれど、残念ながら借りるにしてもそのアテがない。

まあ――オーディオ用にブレーカーを増設したからといって、この家、あるいはこのマンション全体で使用している元の電源が変わったわけではない。回路的にはすべてつながっているのだから、やっぱり影響は排しきれないのだろう。

逆に、音質という感覚的な側面以外で、このアイソレーション・トランスがちゃんと仕事をしているんだな、とはじめて実感できた瞬間でもあった。

ちなみに、これは純粋直感中心素人発想 (笑) なのだが、アイソレーション・トランスを入れると音に力感がなくなるという話は、どうも電源に含まれているノイズ成分が、音の力感や、それに似た鮮度感を錯覚させているのではないか、と思うようになった。それは、波形生成ができるソフトウェアなどを使用して、純粋なサイン波を生成した場合と、べつの周波数を重畳させてみた場合とで比較すると、わりと直感的にわかる。もしノイズ成分が人間の聴覚に好影響を与えているのだとしたら、これはまたややこしい話だ。このあたりの議論は、あまり突っ込むと果てしないところにまで行ってしまいそうなので、これくらいに (笑)。

 

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コメント

コメントありがとうございます。
いちおう、3ピンのコンセント/電源ケーブルを使用していますので、合っているはずですが、また念のため確認してみます(^^;

投稿: Tiki | 2013年7月 7日 (日) 13時22分

コンセントの極性はあっていますか?
逆に繋いだらブーンと成ります

投稿: あ | 2013年7月 6日 (土) 23時24分

トランスは自然と唸るものなんだよ・・・

投稿: a | 2011年10月 4日 (火) 14時51分

斉藤さん、こんにちわ。コメントありがとうございます。返信が遅くなり、すいません。

わたしが使っているのも、中村製作所の製品です。いまはラインアップにはありませんが、Sonori(AIT-700L)という製品です。

アイソレーショントランスがいるかいらないか、といえば、わたしはいると思っています。電源ケーブルも、もちろんある程度吟味したほうがいいですし、どちらかだけでよい、というようなものではないと思います。
ただ実際には、一回にかけられるコストにも限界がありますし、オーディオの真髄は「ちょっとずつ変えて、ちがいを楽しむ(^_^;」ことにあると思っていますので、半年とか、一年とか、時間をかけてグレードアップしていけばいいのではないでしょうか。

アイソレーショントランスと電源ケーブルと、どちらが先かとなると、これはたぶん電源ケーブルでしょう。個性のある電源ケーブルは、1本変えるだけで本当に音が変わります。いまは使っていませんが、印象に残っているのものでは、オークションで入手したオヤイデのTUNAMIは、「がつん」と来る感じでした。
アイソレーショントランスは、わたしの印象ではそこまで音を変えるものではありません。「音を整えてくれる」という類のもので、それが人によっては「静かになった」「力感がなくなった」「おとなしくなった」と表現されるのだろうと思います。音の印象も、こうした言葉での印象も、メリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは、微妙です(^_^;。
実際、本文にも書いたように、一時期外したりもしていました(いまもまた、200V化したので、外しています)。

でも、そうしてときどきつけたり、変えたり、それでまた半年過ごして、また変えたり....そんな楽しみ方でいいように思います。

投稿: Tiki | 2010年2月27日 (土) 09時00分

はじめまして。突然のメールにて失礼致します。

アイソレーショントランスのお話を興味深く拝見致しました。実は私もマンション住まいで上下は他の家庭があり、オーディオは角部屋で鳴らしています。偶然ですね!

アイソレーショントランスを導入を検討中です。中村製作所のNSIT-500SK(¥79,800/キット)というモデルです。因みに貴殿のアイソレーショントランスはどこのメーカーの何というモデルでしょうか?オーディオ雑誌には当方が検討中のモデルを絶賛するレポートがあります。その一方で、ネットでは貴殿のおっしゃるように「おとなしくなった」「素っ気無くなった」または「電源ケーブルにコストをかけた方が賢明」などという書き込みも多く目にします。実際にはどんな感じでしょうか?アイソレーショントランスの導入は正解だったでしょうか?電源ケーブルは機器に大枚をそそぐべきでしょうか?それともアイソレーショントランス自体にそそぐべきでしょうか?

因みに当方のシステムは・・・(チープでお恥ずかしいのですが)スピーカー:B&W MATRIX805V、プリメインアンプ:NuForce IA-7E V2(デジタルアンプ)、CDプレーヤー:marantz SA-15S1です。8スケアの専用線を2回線引っ張っています。

stereo誌2009年8月号の鈴木裕氏のレポートによると・・・
「ヴァイオリン協奏曲では背景が静かになり、全奏での音の立ち上がりが明瞭に。特に低音のガツンと来る感じや躍動感など、ずいぶんと変化する。弦のなめらかさやソロヴァイオリンの倍音の音程の良さも印象的だ。ビートの感じもキビキビして、本来のソフトの音楽性になっている。ポップスのライヴでも余韻の減衰のキレイさや、中高域の抜けの良さ、色彩感など2ランク以上、明確に向上している。CDプレーヤでの再生でもその差は歴然としていて、楽器それぞれの鳴りが実にいい。また前後・左右に音場空間が広がり、その空間に透明感があるので、聴いていてストレスが溶けていくような心地よさを感じる。オーケストラでもホールトーンが増えたような再生になり、情報量も増えてくる」・・・とのことです。

ご多忙のことと存じますが、急ぎませんのでメールを頂けたら幸いに存じます。宜しくお願い申し上げます。

                    斉藤 剛

投稿: 斉藤 剛 | 2010年2月19日 (金) 04時19分

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