foobar2000 と Windows Vista サイドバー ガジェット
PCを音楽プレイヤーとして使うようになって、4年ほどが経過した。そのあいだ、ほぼずっと RME のオーディオカードと CHORD の DAC64 Mk2 という組みあわせで聴いている。
一時期は M-Audio のカードを使ったり、エソテリックの G-25U を入れて 88.2kHz や 176.4kHz にアップコンバートしたりもした。この構成だと、否応なくたまりはじめている SACD が聴けないという課題もあったりするけれど、結局はこの基本的な組みあわせに落ち着いている。
そうそう、以前話題にしたデジタルケーブルは、結局、オヤイデ電気商会の銀単線 FTVS-510 と、フルテックの RCA と BNC コネクタを使用して、自作する結果になった。銀単線ということでクセがありそうな気配だったけれど、ぼくがデジタルケーブルの基本と思っているシールドがしっかりしていること、高周波のデジタル信号だから純度優先でもいいだろうと思い、これを選んだ。結果として銀単線の悪そうなクセは顕著には出ていないようで、鮮明感と力感として感じられ、気に入って使いつづけている。
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プレイヤーソフトは、ずっと foobar2000 をカスタマイズして使用している。フォーマットは以前は FLAC、いまはタグの扱いが簡単なので TTA。出力はあきらかに鮮度感がちがうので、 ASIO 経由にしている。
この環境で、先日――といっても半年ほどまえ――Windows XP から Windows Vista に大移行した。そのときのドタバタはご報告したとおりで、その後はなんとか安定的に使用できている。Windows Vista は、世間でなにをどう評価されようが、ぼくは断然気に入っている。その理由はただひとつ――ウィンドウの表示・消去の際に、フワッと出入りするからだ(笑)。
その Windows Vista にしてから、サイドバーというものがつくようになった (サードパーティによるサイドバーは、Google のものをはじめ Windows XP でも使用できるものもある)。
ディスプレイもワイドに変えて、便利に使用しているけれど、ひとつだけ、やりたくてもできないことがあった――それは、 foobar2000 で演奏中の曲をサイドバーに表示させたいということだった。ずっと "Pretty Popup" というプラグインを使用していたのだけれど、やはりデスクトップのどこに表示させてもどうしても邪魔になる。これをサイドバーという公式の居場所に納めることができれば、邪魔にならずいつでも表示させておくことができる。
インターネット上をさがしても見つからず、日曜大工がわりに自分で作ろうかとも思ったものの、そのときには foobar2000 の HTTP サーバプラグイン、あるいは独自のヘルパ・サービスを仲介させて、ガジェットから XMLHTTP オブジェクトで通信しようという構想でアプローチしていた。この方法だと、HTTP リクエストのキャッシュをかいくぐって無理に通信させたとしても、やはり毎秒更新は負荷的に疑問ののこる実装になってしまい、結局断念していた。
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ところが最近になって、その名も "Now Playing" というガジェットを公開されている方がいるのを発見した。このガジェットは Windows Vista 用で、すばらしいことに、 Windows Media Player, iTunes, Winamp, MediaMonkey そして foobar2000 に対応している!
いったいどんな仕掛けで対応しているのだろうと思って調べてみたら、王道である COM オートメーションを介しての対応だった。要するに ActiveX だ。 foobar2000 では、foosion 氏がオートメーションサーバ・プラグインを提供されている。現段階では (というか2003年からずっと) まだアルファ版の状態で、ぼくも存在は知っていたけれど、この "アルファ版" というのが気になって、あまり真剣には調べなかったのだ。この "Now Playing" ガジェットの作者、 Law James 氏はこのオートメーションサーバをメインに、あとヘルパ・ツールを使用してガジェットを実装されている。すでにバージョンは 4.0x になっており、以前から提供されていたようだ。
さっそくダウンロードして使ってみた。それが冒頭に挙げたイメージだ。先日購入したスピノージのヴィヴァルディ "NISI DOMINUS" から "CRUCIFIXUS" をかけているところ。ジャケット画像や日本語も問題なくきちんと表示される。
表示方法は設定でさまざまに変更できる。ただ演奏時間は、マウスをガジェットの上にかざしているあいだだけは表示されるものの、常時表示させることはできないようだった。クラシックの場合は構成の大きな曲もあり、ときどき、いまどのあたりなのか確認したくなる。そのたびにマウスを動かすのもわずらわしい。それにトラック番号の表示もほしい。
それで、その部分はガジェットの内部をすこし改造させていただいて、演奏時間とトラック番号が常時表示できるようにして使っている。
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"Now Playing" ガジェットは基本的にはフリーだが、寄付歓迎とのこと。これなら寄付させてもらってもいいかな、と思う。おかげで、ちょっとしたことだけれど、ずっと不満だったことが解消されて、またひとつPCの環境が快適になった(^^)。
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