« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月の2件の記事

2007年12月31日 (月)

EIZO S2231W-E

S2231W 11月のCore 2 DuoとWindows Vista化以降、勢いでディスプレイも替えてしまった。EIZOS2231W-E、22インチのワイドディスプレイである。

これまでは19インチの液晶ディスプレイ、そのまえは17インチのトリニトロン管を使っていた。いや思い返してみれば、そのまえの17インチのフラットディスプレイも、さらにそのまえの16インチも、すべて EIZO/NANAO のものだった。だからこれで5代目ということになる。


トリニトロン管のディスプレイは、じつは今回のワイドがくるまではまだデスクの上にあり、ときどき活躍していた。それが画面が勝手にキュッと小さくなったりする現象が出てきたので、危険?を感じるようになり、いよいよ破棄することにした。購入当時20万円ちかかったような記憶があるが、いまではオークションでも1円スタートで1円落札という状態。それでもPCリサイクルの費用がかかるよりはマシではないかという話もあるけれど、すこし異常があるので、たとえ1円であったとしても売るのはさすがに気が引ける。19インチの液晶ディスプレイのほうは、リビングでひきつづき活躍してもらう。

職場ではデュアルディスプレイを使用しているので、今回ももう1台追加してデュアル化しようかとも思ったけれど、ひとつの画面で最大化して大きく映すということにも意味があるだろうと思って、ちょうど手ごろな大きさである22インチのVAパネル液晶が発売されたこともあり、これにした。こういう比較的高額商品としてははじめて、amazon.co.jp で購入した。

§

NANAO FlexScan 22インチワイド液晶ディスプレー 1680x1050 ブラック S2231W-EBK最近は EIZO/NANAOの評判も一部マニアのあいだではすっかり地に堕ちてしまった感があるけれど、数すくないディスプレイ専業メーカであるし、地方企業であるし、なんとかがんばってほしいと切実に思う。S2231W は世間で言われているとおり、スタンドの設置面積が大きいところがすこし難だ。肝心の表示のほうは、これも世間で言われているとおり、すこし赤み (マゼンダ?) が強いような気がする。もっとも、それはずいぶんむかしのトリニトロン管のころから感じることはあったので、ディスプレイの見すぎによる、こちらの目の疲労の問題なのかもしれない。それ以外は満足して使っている。

最近ではどの職業でも似たようなものなのかもしれないが、公私ともにソフトウェア開発一色の生活をしていると、ディスプレイは重要なユーザインタフェースデバイスになる。なにしろ四六時中これと向きあっているのだから。ディスプレイの場合、テレビのようにはなれて見ることは少なく、むしろ没入度に応じてどんどん前のめりに近づいていくひとが多い。そうなると、CRT方式の場合、ディスプレイの背面からこちらに狙いを定めている電子銃とまともに向きあうことになる。そんな状況では、ディスプレイ表面にコーティングされているフィルタがいかにしっかりしているかが大切なポイントとなってくる。CRTの時代には、EIZO/NANAO は長時間ディスプレイと向きあいながら暮らしているひとにとっては、絶対の信頼のおけるブランドだった。またいかに高価であろうとも、PC本体よりもはるかに長い期間使いつづけることも多く、そう簡単に変更しないデバイスだったので、投資するだけの価値はあった。

それが液晶になり、たしかに EIZO/NANAOのアドバンテージはあまり感じられなくなった。それでもEIZOブランドの製品を買いつづけているのは、ある意味で過去の信頼にしがみついている、ということなのかもしれない。最近のディスプレイは、こちらが心配になるほど安い。それはもちろんとてもしあわせなことなのだが、それでどれだけ開発や品質管理にコストがかけられるのだろう、と思わずにはいられない。液晶も海外調達が主流になり、ブランドの維持確立という面できっとむずかしいところにいるのだろうなと思う。

じつはEIZOブランドのディスプレイは、そのストイックなデザインもとても気に入っている。ひょっとしたら、いまはそれがいちばん大きなポイントになっているかもしれない。また店頭で見栄えのする光沢パネルをつけず、地味だけど反射がすくなく目の疲れにくいノングレアパネルのままである。5年保証や修理品の引き取り、修理時の代替機貸出しも専業メーカとして立派なサービスだと思う。そういうところに、むかしからの信頼が垣間見える気がして、その安心を買っているのだろう。

実際にディスプレイが届き、使いはじめてみると、やっぱりいいものを買ったなという気持ちになった。

| | コメント (0)

ヨーラ・ギュラーのベートーヴェン

Guller_Beethoven ヨーラ・ギュラーは1895年生まれのフランスの女流ピアニスト。Youra Guller というスペルから、カタカナではヨウラと表現されることもある。1980年に亡くなった。若いころにはその美貌から映画界の誘いを受けることもたびたびであったという。

どういう経緯だったかはもう忘れてしまったけれど、HMVのサイトをさまよっているうちに行き着き、廉価レーベル apex から1000円以下という魅力的な価格で出ていたこともあって、購入した。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの最後の2つ、第31番変イ長調作品110と、第32番ハ短調作品111。録音は1973年の2月。晩年の録音である。


これが、とてもよかった。生真面目さとロマンティシズムがうまく同居し、引き込まれる。とくに第31番の最終楽章でのフーガは、確固たる足取りでこちらに迫ってくるようで思わず息をつめてしまう。力強いタッチは年齢を感じさせず、実際、録音データを調べてみるまで、ぼくはもうすこし若いころの録音かと思っていた。

The Art of Youra Guller, 1895-1980ギュラーは一部で幻のピアニストと言われ、熱狂的なファンの方もおられるようだが、それはおそらく上で書いたような生真面目さ、誠実さが演奏に感じられるからではないかと思う。だからといってがちがちとした演奏になることは決してなく、充分にコントロールされた上でじわっとにじみ出てくるような感傷性があり、ある種の孤独感とそれゆえの優しさを感じさせる。そんなギュラーの音楽に包まれる時間は、ほかのピアニストからはなかなか得られない居心地のよさだ。

 

Annotations :
ヨーラ・ギュラーのベートーヴェン :
Beethoven Piano Sonatas No.31,op.110 & No.32,op.111
Youra Guller, piano
apex 2564 69899-8
Link : HMVジャパン

| | コメント (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »