EIZO S2231W-E
11月のCore 2 DuoとWindows Vista化以降、勢いでディスプレイも替えてしまった。EIZOのS2231W-E、22インチのワイドディスプレイである。
これまでは19インチの液晶ディスプレイ、そのまえは17インチのトリニトロン管を使っていた。いや思い返してみれば、そのまえの17インチのフラットディスプレイも、さらにそのまえの16インチも、すべて EIZO/NANAO のものだった。だからこれで5代目ということになる。
トリニトロン管のディスプレイは、じつは今回のワイドがくるまではまだデスクの上にあり、ときどき活躍していた。それが画面が勝手にキュッと小さくなったりする現象が出てきたので、危険?を感じるようになり、いよいよ破棄することにした。購入当時20万円ちかかったような記憶があるが、いまではオークションでも1円スタートで1円落札という状態。それでもPCリサイクルの費用がかかるよりはマシではないかという話もあるけれど、すこし異常があるので、たとえ1円であったとしても売るのはさすがに気が引ける。19インチの液晶ディスプレイのほうは、リビングでひきつづき活躍してもらう。
職場ではデュアルディスプレイを使用しているので、今回ももう1台追加してデュアル化しようかとも思ったけれど、ひとつの画面で最大化して大きく映すということにも意味があるだろうと思って、ちょうど手ごろな大きさである22インチのVAパネル液晶が発売されたこともあり、これにした。こういう比較的高額商品としてははじめて、amazon.co.jp で購入した。
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最近は EIZO/NANAOの評判も一部マニアのあいだではすっかり地に堕ちてしまった感があるけれど、数すくないディスプレイ専業メーカであるし、地方企業であるし、なんとかがんばってほしいと切実に思う。S2231W は世間で言われているとおり、スタンドの設置面積が大きいところがすこし難だ。肝心の表示のほうは、これも世間で言われているとおり、すこし赤み (マゼンダ?) が強いような気がする。もっとも、それはずいぶんむかしのトリニトロン管のころから感じることはあったので、ディスプレイの見すぎによる、こちらの目の疲労の問題なのかもしれない。それ以外は満足して使っている。
最近ではどの職業でも似たようなものなのかもしれないが、公私ともにソフトウェア開発一色の生活をしていると、ディスプレイは重要なユーザインタフェースデバイスになる。なにしろ四六時中これと向きあっているのだから。ディスプレイの場合、テレビのようにはなれて見ることは少なく、むしろ没入度に応じてどんどん前のめりに近づいていくひとが多い。そうなると、CRT方式の場合、ディスプレイの背面からこちらに狙いを定めている電子銃とまともに向きあうことになる。そんな状況では、ディスプレイ表面にコーティングされているフィルタがいかにしっかりしているかが大切なポイントとなってくる。CRTの時代には、EIZO/NANAO は長時間ディスプレイと向きあいながら暮らしているひとにとっては、絶対の信頼のおけるブランドだった。またいかに高価であろうとも、PC本体よりもはるかに長い期間使いつづけることも多く、そう簡単に変更しないデバイスだったので、投資するだけの価値はあった。
それが液晶になり、たしかに EIZO/NANAOのアドバンテージはあまり感じられなくなった。それでもEIZOブランドの製品を買いつづけているのは、ある意味で過去の信頼にしがみついている、ということなのかもしれない。最近のディスプレイは、こちらが心配になるほど安い。それはもちろんとてもしあわせなことなのだが、それでどれだけ開発や品質管理にコストがかけられるのだろう、と思わずにはいられない。液晶も海外調達が主流になり、ブランドの維持確立という面できっとむずかしいところにいるのだろうなと思う。
じつはEIZOブランドのディスプレイは、そのストイックなデザインもとても気に入っている。ひょっとしたら、いまはそれがいちばん大きなポイントになっているかもしれない。また店頭で見栄えのする光沢パネルをつけず、地味だけど反射がすくなく目の疲れにくいノングレアパネルのままである。5年保証や修理品の引き取り、修理時の代替機貸出しも専業メーカとして立派なサービスだと思う。そういうところに、むかしからの信頼が垣間見える気がして、その安心を買っているのだろう。
実際にディスプレイが届き、使いはじめてみると、やっぱりいいものを買ったなという気持ちになった。
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