« PCがこわれた | トップページ | ICH9 と AHCI »

2007年11月18日 (日)

Core 2 Duo のPCに Windows VistaとRMEのオーディオカードを入れる

Core2Duoそうして翌朝。日曜日。"絶好のお出かけ日和"といえる気持ちのいい日だった。女房は朝から出かけていて、その帰りを待つことなく、子供たちを連れて大阪梅田のヨドバシカメラに向かった。ちびっこふたりを連れてヨドバシに、しかもPCパーツを買いに、なんて、いかにも芸のない父親の図という感じだし、詐欺のように連れ出した子供たちにも申しわけない気がしたが、ぼくも含めて本人たちには、これはこれで結構楽しいイベントだった (と信じたい)。

梅田ヨドバシでは、CPU(Core 2 Duo E6750) は難なく見つかった。マザーボードはこのヨドバシではASUSよりもGIGABYTEのほうが取り扱いが大きく、条件を満たすマザーボードは結局GIGABYTEのものしか見つからなかった。条件というのは、


  1. P35チップセットで、
  2. チップセットクーラーはファンレスで、
  3. AHCIに対応していればすこしうれしく、
  4. DDR2メモリに対応、
  5. Gigabit LANも必要、
  6. 無線LANなど余計なものがついておらず(つまり廉価で)、
  7. PCIバスは最低2つ、
  8. RS-232Cポートがマザー上の増設ピンでもいいからついていること、

くらいである。多いけどふつうだと思う。じつはさらにIEEE 1394への対応も必要だったのだが、そのときにはその条件まで思い至らなかった (というか、USB2.0と同様、当然ついていると思っていた。そのUSB2.0ポートは8つもついている。実用的ではあるけれど、なにかちょっと下品のような気がする...)。

最後のRS-232Cポートは、GOLDMUNDのプリアンプ MIMESIS 27ME をコントロールするためのものだ。最悪USBからの変換ケーブルを導入すればいいのだが、仕事がらどうもトラブルを起こしやすい印象があり、マザーボードについていればありがたい。店頭のボードを見ていると、バックパネルについているのは贅沢としても、すでにボード上のピンすら省略されているものがある。こういう細かい点はお店のスペックシートには現れないので、目視で確認するしかなかった。

子供たちはボード上にヒートパイプの走る「ジェットコースターボード !」やABITの派手な青いヒートシンクのものを欲しがったが、さすがにそういう理由で決めるわけにもいかない。ASUSはQ-Connectorというのがじつは魅力的で、その意味ではP5K-Eがあればよかったと思いつつ、GIGABYTEのGA-P35-DS3(Rev.2)にした。バランスを求めるのならASUSという先入観があるけれど、考えてみればリビングルームで現役のASUS P4P800は最後までHyper-Threadingでは安定しなかったし、それ以外はPentium IIIのDual CPU構成の時代からほとんどGIGABYTEだった。自分ではASUSメインのユーザのつもりだったが、じつはGIGABYTEメインのユーザのようだ (あとは AOpen と Intelと...)。

§

その後子供たちにジュースをごちそうして、途中で女房も合流、食事をして帰宅した。組み上げは、そう苦労することもなかった。目論見(仕様)どおりCPUクーラーもリテンションを変えて装着できた。GA-P35-DS3 は横幅がすこし小さく、内容積に余裕のないぼくのケース Antec Solo にも簡単におさまった。

さっそくWindows Vistaをインストール。これもまた無問題。Windows Vistaはパブリックベータを入れたとき以来だ。ひさしぶり! ひきつづき、拡張ハードウェアを入れて再起動して確認していく。Vistaの起動は早い。でもそれはCPUの能力が上がったからかもしれない。

そして、件のオーディオカード RME 96/8 PST をいれたときに、つまづいた。

§

カードが動作しない。正確には、起動中にカードのドライバが停止してその旨が通知され、デバイスマネージャで "!" の状態になってしまう。OSそのものはカードが使えないだけでそのまま動作する。フリーズしたのはぼくのほうだ。

たしかにRME 96/8 PSTは本国ドイツでもVista対応のドライバは出ていない。旧製品ということで、XPで更新は止まってしまっている。けれども、ベータ2版のVistaを入れたときに、動作することは確認してあった。だから躊躇なくVistaに移行しようと決めたのだ。Vista がベータ2版からリテイル版に変わる際に、なにか決定的な部分が変更されたのだろうか。あるいはGIGABYTEのマザーとの相性が露呈したのか。

たかがオーディオカードとはいえ、ぼくとしてはこれが動作しないのでは話にならない。もう1枚、おなじ目的のカード、M-AudioのDelta 66も持っているが、これはOSの負荷変動に弱く、インターネットを見ているだけで頻繁にノイズが入る。

このまま思い切って RME の最新のカードを買ってしまおうか。とも思ったが安くても10万円以上はする。思い起こせば遠いむかしのような1日前、 Core Duo とAOpenのマザーボードの組み合わせで動かなくなってしまったというだけで、ほぼ PC 1台分と言ってもいいくらいのパーツを購入し、OSも買い換えた。この上さらに、10万円以上もかけてオーディオカードも買い換えることになってしまうなんて。

もちろんなにかがおかしい。技術的なことではなくて、ぼくのアプローチのどこかがおかしい。RMEのカードをあきらめ切れず、何時間もインターネットを徘徊し、本国のドイツ語は読めないので英語で書かれていれば世界中の掲示板も読んでみたがそれらしい手がかりは得られなかった。

気は進まなかったが Vista をあきらめて、Windows XP を入れなおすことにした。1時間かかった。このWindows XPはメモリといっしょに買ったDSP版。そのメモリはまだ使っているのでライセンス的には問題ない。でもたびかさなる構成変更でとっくにライセンス認証の回数制限を超えている。またあの長大なプッシュボタンを押さなければならず、しかもたぶんそれだけでは認証されなくて、オペレータのお姉さんとお話しして、状況を説明しなければならない。以前にも夜中の1時にお世話になったことがある。むこうも大変だがこっちも大変だ。

Windows XPのインストールが完了し、ライセンス認証のまえに RME のオーディオカードをもとの位置にもどし、ドライバをインストール、再起動した。なにも心配なことなどない。はずだったのに、ドライバが異常を起こして停止した。

§

またぼくはフリーズした。そんなはずは。考えるだけでも恐ろしいことながら、これはマザーボードとの相性の問題なのだろうか。だとしたら、いったいどのマザーボードを買えば動作するのか。そこに行き着くまえに、何枚のマザーボードを買わなければならないのか。そもそもチップセットとの相性問題だったらどうする。これは VIA とかnVIDIA ではなく、Intel の王道をいくチップセットなのに。

暗澹たる気持ちで、なにをどうしようか次の一手を考えあぐねた。どの案も非現実的のような気がした。だめもとで、PCIスロットの差す位置を変えて、再起動した。

そうしたら、動作した。

§

PCIスロットの位置を変える、というのは、むかしから基本的なトラブル対策のひとつと言われている。でも実際に、それで解決したという話はあまり身近では聞かない。そういう気難しいカードのひとつに、ビデオキャプチャカードがある。このRMEのカードもそういう気難しいカードのひとつだった。そういえば―― と、いまさらながら思い出す―― GeodeとVIAチップセットのときも、Core DuoとAOpenのときも、それで苦労したのだった。だから、本能的にぼくはいちばん下のPCIスロットにこのカードを差すようにしている。今回もそうしていた。その位置のPCIスロットはバスコントローラとの関係で独立したIRQが得られやすい。そのやり方が形骸化していて、今回はまんなかのスロットに差したら動いたのだが、よもやいちばん下がだめで、まんなかであればOKなどとは思いもしなかったのだ。

それから、ぼくはもう一度Vistaを入れなおした。快適に動作した。オーディオカードに関しては、なにも問題なかった。ああつかれた、と安堵の吐息をついたときには、すでに日曜日の夜中という時間になっていた。ああ本当につかれた。

|

« PCがこわれた | トップページ | ICH9 と AHCI »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コンピュータ」カテゴリの記事

コメント

以前にコメントいただいた横山と申します。
やっと機会があり、チャレンジしていますが、
音が出ません。

vista をインストールし、XP用のドライバからインストールファイル(.inf)を右クリックして、問題なくインストールされ、デバイスマネージャーからも、正常に動作していると表示されているのですが、実際にはおとがでません。

コントロールパネルのサウンドをみると、RME 96/8 の項目がないので、サウンドデバイスとしてせんたくさえできません。

動作しているTiki さんのところでは、どうなっているのでしょうか。 ヒントなどいただければ、幸いです。
よろしくお願いします。

投稿: 横山浩之 | 2010年3月25日 (木) 09時48分

出張で返信が遅れました。
XP用のドライバが使えると聞いて、ほっとしました。

私は、RME 96/8 PST を、HTPC に使用しています。 もったいないと言われそうですが、clock board を付属させ、デジタル出力させています。

音質的に、大変満足しています。 Vistaで使えないという報告ばかりなので、わざわざ XP で使用していました。

情報をありがとうございました。 チャレンジしてみたいと思います。 感謝です。

投稿: 横山浩之 | 2008年2月14日 (木) 23時36分

横山さん、こんにちわ。

わたしが Windows Vista で使用したのは、RME が提供している XP用のドライバ Version 2.11 です。これ以上新しいドライバは出ていないと思います。
Windows Vista 自身には残念ながら付属していません。RMEからも Vista 版としては出ていないようですね。

投稿: Tiki | 2008年2月10日 (日) 22時40分

私も RME 96/8 PST を使用しています。
Windows Vista で動作しないという情報が多いので、あきらめていました。

ドライバは、Vista 標準のものになるのでしょうか?
あるいは、XP のものを使うのでしょうか?

ご教示いただければ幸いです。 よろしくお願いします。

投稿: 横山浩之 | 2008年2月10日 (日) 13時29分

この記事へのコメントは終了しました。

« PCがこわれた | トップページ | ICH9 と AHCI »